充実した研究室生活のための 100 のヒント (草稿)

大阪大学大学院情報科学研究科

大崎 博之 (oosaki[atmark]ist.osaka-u.ac.jp)

100 Tips for Your Successful Laboratory Life

$Id: index.pod,v 1.16 2008/12/05 13:47:58 oosaki Exp oosaki $

はじめに

「充実した大学院生活のための 100 のヒント」では、大学生もしくは大学院 生のみなさんが、快適かつ有意義な研究生活を過ごすためのヒントを紹介しま した。ここでは、どの大学でも通用するような、一般的ヒントを紹介しました が、みなさんが所属するそれぞれの研究室では、その研究室固有のルールや規 則があると思います。

  充実した大学院生活のための 100 のヒント 
  http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips/

そこで、この文書では、今瀬研のみなさんが充実した論文作成および研究発表 をするための 100 のヒントを紹介します。これらの多くは、「私の研究グ ループのローカルルールであり、どの組織でも通用するような普遍的なものと は限らない」ので注意してください。

1. 研究遂行

  1. 指導者 (通常、同じ研究グループの先輩) に普段から相談する
  2. 30 分以上同じ作業をしても進まなければ、指導者に相談する
  3. 研究はすべて紙ベース (ノート + ファイル) で行う
  4. 研究ノートのみを使う。それ以外のメモ用紙などは使用しない
  5. 考えたこと/試したこと/分かったことは、すべてノートに記録する
  6. 質問時・ミーティング時には、研究のノート + ファイルを持参する

2. 質問/報告/相談

  1. 質問なのか、報告なのか、相談なのかをまず明確に伝える
  2. 質問する時は、まず自分の考えを明確に説明する
  3. 質問する時は、状況を具体的に説明する
      賢い質問のしかた
      http://www.ranvis.com/articles/smart-questions.ja.html
      質問の仕方
      http://archive.linux.or.jp/beginners/question.html
  4. 質問する時は、エラーメッセージなどは一字一句そのまま伝える (画面のダンプ保存、デジタルカメラで撮影など)

    アプリケーションを (もしあれば) verbose モードや debug モードで動作さ せるなどして、できるだけ情報を集めましょう。

    strace (システムコールのトレース) や ltrace (ライブラリコールのトレー ス) の結果も非常に有用です。これを見るだけで、かなり問題が解決します。

      $ strace プログラム名 引数...
      $ ltrace プログラム名 引数...

    なお、エラーメッセージを確認・記録するにはいろいろな方法があります (お すすめの順に紹介します)。

    ターミナルアプリケーションの場合:

    (1) Emacs の shell バッファを利用

    Emacs のシェルバッファ (M-x shell) でアプリケーションを実行し、M-v (scroll-down) で逆スクロールさせて確認する。

    問題が発生すると事前に分かっているなら、この方法がおすすめです。

    (2) screen を利用

    事前に screen を実行しておいて、なおかつ screen のスクロールバッファを 十分大きな値に設定 ($HOME/.screnrc で、defscrollback 100000 などと設定) しておき、C-a [ (copy) で逆スクロールさせて確認する。

    問題が発生すると事前に分かっていない時は、この方法が便利です。

    (3) tee コマンドを利用

    アプリケーションの標準出力・標準エラー出力を tee コマンドで保存する。

      $ プログラム名 引数... 2>&1 | tee foo.log

    (4) script コマンドを利用

    事前に script コマンドを実行しておいて、標準出力・標準エラー出力をファ イルに保存しておく。

      $ script foo.log
      Script started, file is foo.log
      $ (エラーが発生するコマンドを実行)
      $ exit
      Script done, file is foo.log

    エスケープシーケンスも含めて、全ての出力が保存されます。

    (4) ターミナルのスクロール機能を利用

    xterm や rxvt のスクロールバッファを十分大きな値に設定 ($HOME/.Xdefaults で、*VT100*saveLines: 100000 などと設定) しておき、 スクロールバーを使って逆スクロールさせて確認する。

    ウィンドウアプリケーションの場合:

    (1) ImageMagic を利用

    ImageMagic の import コマンドを使用する。

      $ import foo.gif (GIF 形式で保存する場合)

    (2) xwd コマンドと netpbm を利用

    X Window System に標準で含まれる xwd コマンドを使用する。netpbm と組み 合せて使うと便利。

      $ xwd | xwdtopnm | ppmtogif >foo.gif (GIF 形式で保存する場合)
  5. 研究関係のメール (報告・連絡・相談) はメイリングリスト *-group[atmark]ispl.jp に送る
  6. 作業報告のメールはメイリングリスト *-report[atmark]ispl.jp に送る
  7. 校閲/添削依頼のメールはメイリングリスト submit-request[atmark]ispl.jp に送る
  8. メールのスレッドを切らない (In-Reply-To ヘッダを消さない)
  9. 質問した後に自力で解決できた場合には、(他の人の参考になるので) 何をどうやって解決したのかを報告する。

3. 研究環境

  1. オペレーティングシステムは Debian GNU/Linux (lenny) を使う
  2. エディタは GNU Emacs を使う
  3. 日本語入力には SKK を使う
  4. ターミナルは krxvt を使う
  5. シェルは screen + zsh を使う
  6. Windows を使う必要がある時は、KVM 上で Windows XP を使う

4. 校閲/添削依頼

  1. 教員に校閲/添削を依頼する前に、指導者の校閲/添削を受けて OK をもらう
  2. ミーティング資料は、ミーティング前々日 (土日祝は除く) の正午までに校閲/添削を依頼する
  3. どの部分を校閲/添削して欲しいのか明確にして校閲/添削を依頼する
  4. 作業報告 (*-repor[atmark]@ispl 宛) と校閲/添削依頼 (submit-request[atmark]ispl.jp 宛) は別のメールにする
  5. LaTeX のソースコード中に書くコメントの形式は、% コメント -ログイン名 [YYYY/MM/DD] とする
      例: % 図中の XXX を埋める -oosaki [2005/07/12]

    Emacs でコメントをつけるには、~/.emacs に以下のコードを追加して、 C-c D (M-x insert-modification-notice) とします。

      (global-set-key "\C-cD" 'insert-modification-notice)
      (defun insert-modification-notice ()
        "Insert today's date followed by your full name at the current point
      as a comment."
        (interactive)
          (cond ((or (eq major-mode 'latex-mode)
                   (eq major-mode 'outline-mode))
               (save-excursion
                 (insert (format "%%  -%s [" (user-login-name))
                         (format-time-string "%Y/%m/%d")
                         "]\n"))
               (forward-char 2))
              (t
               (insert (format "%s%s, %s by %s%s" 
                               (comment-start-with-space)
                               (substring (current-time-string) 4 10)
                               (substring (current-time-string) -4)
                               (user-full-name)
                               (or comment-end "")))
               (indent-according-to-mode))))
  6. 単一のファイルで、かつサイズが小さいもの (1 MB 以下) はメールに添付して送る
  7. 複数のファイル/サイズが大きいものは weisshorn に置いて場所を知らせる

    rsync.el を使って rsync できるように、以下のように正確なファイル/ディ レクトリのパスを知らせてください。~ 以降にユーザ名を含める必要があ ることに注意しましょう。

      例: weisshorn:~oosaki/work/gridftp/doc/in05-2/submit/paper.pdf (ファイルの場合)
      例: weisshorn:~oosaki/work/gridftp/doc/in05-2/ (ディレクトリの場合)
      rsync.el
      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/elisp/rsync.el

    ファイルのパス上にポイント (Emacs のカーソル) を移動して、C-c R (M-x rsync) を実行すれば、Emacs から rsync が起動できます。

    なお、Emacs 上で、上記のようなファイルのパスを入力するには、C-c C-P (M-x insert-rsync-path) を実行します。ミニバッファにパスを入力すれば (パス名の補完も可能です)、現在のポイントにファイルの正確なパスが入力さ れます。

  8. ファイルの漢字コードは EUC、改行はコードは LF に統一する
  9. ファイルのパーミッションは 664、ディレクトリのパーミッションは 775 にすべて統一する (RCS で管理されたものは 444/555 でいい)
  10. テキストファイル (org ファイルも) をメールに添付する時は、Content-Type を Text/Plain にする
  11. Microsoft Office では「高速保存」のチェックを外し、ファイルサイズが小さくなるようにする (「ツール」→「オプション」→「保存」→「高速保存」)
  12. 発表資料の場合、PDF ファイルではなく、PPT ファイルを送る
  13. 原稿の PostScript/PDF ファイルだけでなく、ソースコード一式を weisshorn に置く (bib/obj/def/res ファイルなどもすべて置く)
  14. ミーティング資料のファイル名は [project]-[user]-[yymmdd].ppt とする

    [project] はプロジェクト名、[user] はログイン名、[yymmdd] は日付です。

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#11-2

      例: gridftp-oosaki-040321.ppt
  15. 発表資料のファイル名は [name]-[user]-[yymmdd].ppt とする

    [name] は論文/国際会議/研究会の略称です。

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#11-2

      例: gridnet05-oosaki-050821.ppt
  16. 実験計画のファイル名は [project]-[name]-experiment-[version].ppt とする
      例: gridftp-oosaki-experiment-1.ppt
  17. 用語一覧のファイル名は [name]-[user]-glossary.org とする。
      例: in05-4-oosaki-glossary.org
  18. アウトラインのファイル名は [name]-[user]-outline-[level].org とする。

    [level] はアウトラインのレベル 0 〜 3 です。

      例: in05-4-oosaki-outline-0.org
  19. トピックセンテンスのファイル名は [name]-[user]-topic.org とする。
      例: in05-4-oosaki-topic.org
      例: bachelor-oosaki-topic.org
      例: master-oosaki-topic.org
  20. ドラフトのファイル名は [name]-[user]-draft.org とする。
      例: in05-4-oosaki-draft.org
  21. アウトライン・トピックセンテンス・ドラフトは単一のファイルにする (章単位で複数のファイルに分割しない)

    論文全体通して整合性をチェックしたいので、一つのファイルとして作成して ください。

  22. アウトライン・トピックセンテンス・ドラフトは、校閲に不要なコメントは削除しておく

    論文の中身だけに集中したいので、校閲する上で不要なコメントはすべて削除しておいてください

  23. アウトライン・トピックセンテンス・ドラフトは体裁を整えてから校閲依頼を出す

    論文の中身だけに集中したいので、org ファイルのフォーマットを整えておい てください。バッファ全体を選択して、M-x indent-region と M-x fill-region とすればインデントと段落整形が自動でできます。

  24. タスクレポートのファイル名は [user]-task[id]-[summary].{xls,ppt,pdf} とする

    [user] はログイン名、[id] はタスク ID名、[summary] はタスクの説明 (英数字 + _ (下線) のみ使用のこと) です。

      例: oosaki-task253-spx_comparison.xls
  25. PB 発表資料のファイル名は pb-[YYMMDD]-[user].ppt とする
      例: pb-091201-oosaki.ppt
  26. 同じグループの、他の人のミーティング資料の校閲/添削結果もチェックする
  27. コメントを反映できなかった箇所は、コメントを消さずに残しておく
  28. カメラレディ作成や再投稿のために論文を修正する時は、revhistory で修正箇所を明示する
      revhistory.sty  --- LaTeX style file for recording revision history
      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/tex/revhistory.sty

    修正したい箇所を、

      \rev{修正前のテキスト}{修正後のテキスト}

    とか

      \rev[何のために修正したかのコメント]{修正前のテキスト}{修正後のテキスト}

    のように修正します。

    「変更前の文章」や「変更後の文章」に数式等が含まれている時は {} で囲む 必要があります。

      例:
      \rev{コネクション数 {$N$}}{フロー数 {$N$}}

    単純な追加・削除の場合には、

      \radd{追加したいテキスト}
      \rdel{削除したいテキスト}

    のようにすることもできます。revhistory.sty ファイル中のコメントにサン プルがあります。

    すべての修正を反映させる (最終稿を投稿する場合など) には、

      \importrevisions

    を指定します。逆に、すべての修正を破棄する場合には、

      \discardrevisions

    を指定します。

5. 論文作成 (本文)

  1. 「専門用語一覧 → アウトライン → ドラフト → 原稿」の順に作業する
      論文のアウトライン作成のための 100 のヒント
      http://www.ispl.jp/~oosaki/research/tips-outline/
  2. 論文中では必ず同じ用語を統一して使用する
  3. 句読点 (、。) を使う。コンマ・ピリオド (,.) は使用しない
  4. 単純な文法ミスやタイプミスをなくした状態で校閲/添削を依頼する
  5. 空白、アルファベット、記号はすべて半角 (ASCII) にする
  6. 半角文字と全角文字の間には単一の空白を入れる
  7. 括弧の前後にも単一の空白を入れる
  8. 日本語のパラグラフは、format-paragraph.el を用いて整形しておく
      format-paragraph.el
      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/elisp/format-paragraph.el

    整形したいパラグラフにポイントを合わせて、ESC-p (M-x format-paragraph) で日本語のパラグラフが整形されます。半角文字と全角文字の間の空白が不要 な時 (翻訳の王様で処理する時など) は、C-u ESC-p (C-u M-x format-paragraph) とします。

  9. タイトル、章タイトルは、各単語 (冠詞/前置詞は除く) の先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
      例: Network Topology Used in Simulation

6. 論文作成 (図・グラフ・表)

  1. 図はすべて tgif で作成する。陰やグラデーションは使用しない

    絵心に自信があり、イラスト的な図であれば Visio で作成してもよい。ただ し、Windows 上で EPS を作成した場合、ps2eps で正しい BoundingBox を付 ける必要がある。

  2. グラフは xdoplot で作成する
      xdoplot
      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/xdoplot/

    xdoplot から EPS で出力する時は、psfix-gnuplot フィルタを用いて、線の 色やポイントを修正しておく。

      psfix-gnuplot
      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/perl/psfix-gnuplot
      xdoplot -te foo.res | psfix-gnuplot >foo.eps
      xdoplot -te foo.res | psfix-gnuplot -e >foo.eps (信頼区間が含まれる場合)
  3. 図・グラフ中の文字は、フォントに Helvetica を使用し、本文の脚注よりも大きなフォントを使う
  4. 図・グラフのキャプションは図の下側に、表のキャプションは表の上に置く
  5. 図・グラフ中の文字は、先頭の文字を大文字に *しない* (英語の場合)
      例: ingress PE router
  6. 図・グラフのキャプションは、先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
      例: \caption{Maximum TCP throughput for $N = 10$ and $B = 1.5$~[Mbit/s]}
  7. グラフの軸ラベルは、先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
      例: Packet loss probability
  8. 表の罫線は最小限のものだけ使用する (例えば、「パラメータ名」と「値」の間のみ)
      \begin{tabular}{tbp}
        parameter & value \\
        \hline
        $\alpha$ & 1.0 \\
        $\beta$ & 0.5 \\
        $\gamma$ & -1 \\
      \end{tabular}
  9. 図・グラフ中の記号や数式は、フォントに Helvetica の斜体 (イタリック) を使用する
  10. LaTeX ドキュメントに図・グラフを挿入するには \insertfig マクロを使う
      insertfig.sty  --- LaTeX style file for including EPS figures
      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/tex/insertfig.sty
      例: \insertfig{model}{Analytic model}
  11. 図・グラフ・表は、文中で始めて参照している段落の直後に配置する

    \insertfig マクロを使う場合は、文中で \ref{} で始めて参照している段落 の直後に \insertfig マクロを書けばいい。

  12. figure 環境や table 環境の placement は tbp (top, bottom, page of floats) にする
      例: \begin{figure}[tbp]

7. 論文作成 (LaTeX)

  1. 論文作成には pLaTeX を使用する
  2. 研究会の原稿は、以下のファイルをベースに作成する (ディレクトリごと cp -av して、修正を加える)
      weisshorn:~oosaki/work/template/doc/ieicej/
  3. \label コマンドのラベルには意味のある名前をつける
      例: \label{sec:intro}
      例: \label{fig:simulation-parameters}
      例: \label{eq:max-throughput}
  4. 各ソースファイルの先頭には、以下のようなヘッダをつける

    英語の場合:

      % -*- LaTeX -*-
      % 
      % 
      % Copyright (c) 2010, 自分の名前.
      % All rights reserved.
      % 
      % $Id: index.pod,v 1.16 2008/12/05 13:47:58 oosaki Exp oosaki $
      %

    日本語の場合:

      % -*- japanese-LaTeX -*-
      % 
      % 
      % Copyright (c) 2010, 自分の名前.
      % All rights reserved.
      % 
      % $Id: index.pod,v 1.16 2008/12/05 13:47:58 oosaki Exp oosaki $
      %
  5. 各ソースファイルの末尾には、以下のようなフッタをつける

    マスターファイルの場合:

      % Local Variables: 
      % mode: latex
      % TeX-master: t
      % End:

    マスターファイル以外の場合:

      % Local Variables: 
      % mode: latex
      % TeX-master: "paper"
      % End:
  6. AUC-TeX モードを用いて、適切なインデントをつける
  7. weisshorn:~oosaki/bib の bib ファイルはコピーせずに使用する

    weisshorn:~oosaki/bib へのシンボリックリンクを張るか、BIBINPUTS に ~oosaki/bib を追加しましょう。

    weisshorn:~oosaki/bib の bib ファイルを修正したい時は、差分ファイル (diff -u の出力) を送ってください。

  8. スタイルファイルは Debian のパッケージのものをそのまま利用する

    tetex-base と tetex-extra パッケージに必要なほとんどのスタイルファイル が含まれています。

  9. 追加的なスタイルファイルは macro/ ディレクトリにコピーを置く
  10. weisshorn:~oosaki/inputs のスタイルファイルはコピーせずに使用する

    weisshorn:~oosaki/inputs へのシンボリックリンクを張るか、TEXINPUTS に ~oosaki/inputs を追加しましょう。

  11. bib ファイルのエントリ名は、[Lastname][YY]:[TitleWord] とする。

    [Lastname] は著者のラストネーム (先頭を大文字にする)、[YY] は出版 年の下二桁、[TitleWord] はタイトルから特徴的な単語を 1 〜 3 個程度抜き 出したもの (先頭を大文字にして連結させたもの) です。

    例えば、

      J. Padhye and S. Floyd, ``On inferring TCP behavior,'' ACM SIGCOMM
      Computer Communication Review, vol. 31, no. 4, pp. 287-298, August 2001.

    なら、

      @Article{Padhye01:Inferring,

    に、

      S. Kalyanaraman et al., ``Performance of TCP over ABR on ATM
      backbone and with various VBR traffic patterns,'' in Proceedings of
      IEEE ICC '97, June 1997.

    なら、

      @InProceedings{Kalyanaraman97:Performance,

    のようにします。

    なお、Emacs の bibtex-mode では、以下のように設定しておくと便利です (エントリ名を (ほぼ) 自動的に生成してくれます)。

      (setq bibtex-autokey-name-case-convert 'capitalize)
      (setq bibtex-autokey-titleword-case-convert 'capitalize)
      (setq bibtex-autokey-titleword-separator "")
      (setq bibtex-autokey-titleword-length 'infinity)
      (setq bibtex-autokey-titlewords 1)
      (setq bibtex-autokey-year-title-separator ":")
      (setq bibtex-autokey-titleword-ignore 
            '("A" "An" "On" "The" "a" "an" "on" "the"))

8. 論文作成 (校閲/添削および投稿手続)

  1. 指導者および指導教員の校閲/添削は少なくとも 3 回は必要であることを理解する (人にもよるが、3 〜 5 回くらいは必要)
  2. 論文の校閲/添削には 1 回につき 2 〜 3 日かかる。それを計算に入れたスケジュールにする
  3. 共著者全員に論文の完成版 (ドラフトではダメ) を確認してもらい、投稿の許可をもらう
  4. 企業との共同研究の場合は、発表申込や論文投稿の許可が必要。それぞれ遅くともしめきりの一週間前には許可をもらう。特許出願の可能性がある時は、一ヶ月〜二ヶ月前に発表の可否を照会する必要があります。

9. 口頭発表

  1. スライドの枚数は、発表時間が X 分なら X 枚以下にする
  2. スライドで使用する数式、図、表は、論文のものをそのまま使う。

    数式、図、表は、PowerPoint なら、論文の PDF を拡大表示して、「グラフィッ ク選択ツール」でビットマップとしてコピーしましょう。図なら、tgif や gnuplot でカラーの eps ファイルを生成し、これを eps2wmf で wmf ファイ ルに変換してもいいでしょう。

      Converting from PostScript to EWM (Enhanced Windows Metafile) using
      pstoedit (2004/12/06)
      http://www.ispl.jp/~oosaki/research/linux-tips/eps2wmf
  3. 発表資料のテンプレートをそのまま使う
      Template File for Presentation Slides
      http://www.ispl.jp/~oosaki/research/template-slides/
  4. PPT でフォントの自動調整を解除しておく

    Office 2000 の場合、「ツール」→「オプション」→「編集」→「テキストを プレースフォルダに自動的に収める」のチェックを外しておきます。

    Office XP の場合、「ツール」→「オートコレクト」→「テキストをプレース フォルダに自動的に収める」のチェックを外しておきます。

  5. タイトルは、各単語 (冠詞/前置詞は除く) の先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
      例: Background: Conventional Techniques for Network Analysis
  6. 本文 (すべてのレベル) は、先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
      例: Scalable to large-scale networks
  7. 本文で、強調したい箇所は太字 (ボールド) にする
  8. スライド全体の補足説明にはテキストボックス (横書き、背景白、線自動 0.75pt、文字 22pt) を使う

    テキストボックスの大きさが自動的に調整されるように、「書式」→「テキス トボックス」→「描画オブジェクト内でテキストを折り返す」のチェックを外 し、「テキストに合わせて描画オブジェクトのサイズを調整する」をチェック しておきましょう。

  9. 特定の部分の補足説明には四角形吹き出し (背景白、線自動 0.75pt、文字 22 pt) を使う

    「挿入」→「図」→「オートシェイプ」→「吹き出し」→「四角形吹き出し」 を選択すれば挿入できます。テキストを編集するには、右クリックのメニュー から「テキストの編集」を選択します。

    オートシェイプの大きさが自動的に調整されるように、「書式」→「オートシェ イプ」→「描画オブジェクト内でテキストを折り返す」のチェックを外し、 「テキストに合わせて描画オブジェクトのサイズを調整する」をチェックして おきましょう。

  10. グラフは 1 枚/ 1 スライドとし、ページ一杯まで拡大する

10. ミーティング

  1. ミーティング開始時に、教員にはミーティング資料のハードコピーを配布する

    印刷のフォーマットは、白黒 (グレースケールではない)、A4、6 ページ/枚、 両面、左上綴じにしましょう。PowerPoint の印刷ダイアログでは、「配布資 料」、「単純白黒印刷」を選択して印刷します。

  2. ミーティング開始までに、ミーティング資料の PDF ファイルを weisshorn に置いて、全員に場所を連絡する

    PDF のフォーマットは、カラー、A4、6 ページ/枚にしましょう。PowerPoint の印刷ダイアログでは、「配布資料」を選択して、Acrobat Distiller へ印刷 します。場所の連絡方法については #4-7 を参照してください。

11. 業績管理

  1. weisshorn の bib ファイルを随時更新する

    weisshorn の bib ファイルを以下の場所に作成し、随時更新してください。

      weisshorn:/share/bib/~[user].bib

    ファイルの漢字コード、改行はコード、パーミッション等にも注意してくださ い。

      http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4

    対象は、卒論、修論、研究会、国際会議、論文、著書、標準化団体寄書などで、 今瀬研の教員・学生が著者に入っているものです。投稿中や発表予定のものも 含めてください。

    論文の投稿後、口頭発表後、採録通知受理後など、論文の状態が変化した後に 更新してください。

    bib ファイルの書き方については、以下のページを参照してください。

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips/#5-5

    投稿中の論文や国際会議の journal/year/month は、以下のようにします。国 際会議でも、@InProceedings ではなく @Article を使うこと、year と month は投稿した年月にすることに注意してください。

      journal = {{\rm submitted to} 英語論文誌名},
      year = 投稿した年,
      month = 投稿した月,
      journal = {日本語論文誌名 (投稿中)},
      year = 投稿した年,
      month = 投稿した月,
      journal = {日本語論文誌名 (条件付採録)},
      year = 再投稿した年,
      month = 再投稿した月,
      journal = {{\rm submitted to} 英語国際会議名},
      year = 投稿した年,
      month = 投稿した月,

    採択が決定された論文は、以下のようにします。

      journal = {{\rm to appear in} 英語論文誌名},
      year = 掲載予定年,
      month = 掲載予定月,
      journal = {日本語論文誌名 (掲載予定)},
      year = 掲載予定年,
      month = 掲載予定月,

    発表が決定している国際会議や研究会は、以下のようにします。国際会議でも、 @InProceedings ではなく @Article を使うことに注意してください。

      journal = {{\rm to be presented at} 英語国際会議名},
      year = 発表予定年,
      month = 発表予定月,
      journal = {日本語研究会名 (発表予定)},
      year = 発表予定年,
      month = 発表予定月,

    weisshorn の bib ファイルは複数の人が修正するので、上書きしないように 注意してください。修正後は、bibcheck で間違いがないかをチェックしましょ う。

    http://www.ispl.jp/cgi-bin/bibcheck.pl

  2. weisshorn に最終版の原稿のファイル一式を置く

    他の人が原稿ファイルを活用できるように、weisshorn の各自のホームディレ クトリに、以下のようなディレクトリ構成でファイルを置いてください。

      weisshorn:~[user]/work/[project]/doc/[name]/
        |
        +--- RCS           RCS のバージョン履歴
        |
        +--- bib           この論文固有の bib ファイルを置く
        |
        +--- camera-ready  camera-ready のファイル一式
               |
               +--- RCS    RCS のバージョン履歴
               |
               +--- bib    ../bin へのシンボリックリンク
               |
               +--- figure ../figure へのシンボリックリンク
               |
               +--- misc   camera-ready 作成時のメモなど
               |
               +--- submit camera-ready の PDF/PostScript ファイル、PPT ファイル
        |
        +--- figure        論文で使用する図の obj/def/res/eps ファイル
        |
        +--- misc          用語集、アウトライン、査読結果など
        |
        +--- submit        最終版の PDF/PostScript ファイル、PPT ファイル

    [user] はログイン名、[project] はプロジェクト名です。

    [name] は論文/国際会議/研究会の略称です。

    論文の場合は、論文の略称で ton/ijcs/ieicej のようにします。

    国際会議の場合は、「国際会議の略称 + 2桁の年」で、 infocom04/networking98/gridnets00 のようにします。

    研究会の場合は、「研究会の略称 + 2桁の年 + 月」で、 in05-1/in04-12/ns98-3 のようにします。

    修論の場合は、「ログイン名-master」で、 t-itou-master のようにします。

    修論の場合は、「ログイン名-bachelor」で、 y-sakumt-bachelor のようにします。

    アルファベットはすべて小文字にしてください。

    不要なファイルは置かないようにしてください。LaTeX や BibTeX の中間ファ イルもすべて削除しておきましょう。残しておきたいファイルがあれば、misc 以下に置いてください。

    figure 以下には、EPS ファイルのソース (obj/def/res ファイルなど) も置 いてください。

    submit 以下には、最終版の PDF/PostScript ファイル、PPT ファイルを、 paper.pdf、paper.ps.gz (gzip で圧縮したもの)、slide.ppt というファイル 名で置いてください。

    国際会議の場合には、PPT ファイルは camera-ready/submit に置いてください。

    他の人が活用できるように、以下の点にも注意してください。

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-8

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-9

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-13

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-15

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-17

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-18

    http://www.ispl.jp/~oosaki/research/100-tips-lab/#4-19

    最後に、以下のテストスクリプトを実行して、ファイルが正しく整理されてい るか確認してください。

      http://www.ispl.jp/~oosaki/software/perl/chkarchive

12. 共同研究

  1. 一般的なビジネスマナーを身につけておく

    学生として、企業との共同研究に参加する場合は、最低限のビジネスマナーを 身につけておき、一人の社会人として、共同研究先に失礼のないように行動し ましょう。

    通常、大学と企業の共同研究の場合は、大学と企業が共同研究契約を締結して、 それに沿った形で共同研究を実施しています。学生がアルバイトとして企業に 雇用されているのでもなく、学生がインターンシップとして企業に雇用されて いるのでもありません。あくまで、大学と企業との契約に基いています。

    そのため、みなさんが「学生」の立場で共同研究に参加しているとしても、そ こは「大学」と「企業」のロジックで動いている世界です。大学の講義や演習 のように、「大学」と「学生」のロジックで動いている世界ではありません。

    一人の社会人として、最低限のビジネスマナーは身につけておきましょう。あ いさつをする、何かしてもらったらお礼を伝える、外部の人・目上の人に敬意 を払う、発言や行動には責任を持つ……など、当たり前のことばかりですが、 すべて実践できるようになりましょう。

  2. 共同研究契約を守る (特に秘密保持契約に関するところ)

    共同研究は、通常、「大学」と「企業」の間で締結された共同研究契約に基い て実施されています。

    学生の立場で、共同研究のミーティングに参加する場合は、普段行っているよ うな学内のミーティングやゼミと同じようなものと錯覚してしまうかもしれま せん。しかし、共同研究のミーティングは、そのような学内のミーティングや ゼミとはまったく種類が違います。

    特に、秘密保持契約 (NDA; Non-Disclosure Agreement) には十分注意しましょ う。

    通常の共同研究では、「大学」と「企業」の間で秘密保持契約を締結していま す (正確には、秘密保持に関する条項が共同研究契約に含まれています)。こ のため、共同研究によって知り得た情報を、共同研究先の許可を得ることなく、 外部に公開してはいけません (契約違反となり、法的な責任を問われることに なります)。友達だから、家族だから、知り合いだから……といった気軽な感 覚で、第三者に情報を伝えてはいけません。

    同じように、共同研究のミーティングで配布された資料の取り扱いにも注意が 必要です。ミーティングで配布された資料を、第三者に見せることは秘密保持 契約違反となります。故意であるか、過失であるかは関係ありません。うっか りしていて、「共同研究の資料が添付されたメールを他の人に転送してしまっ た」場合でも、「共同研究の資料が格納された USB メモリを紛失してしまっ た」場合でも、秘密保持契約違反となります。大学の講義や演習で配布される 資料とはまったく扱いが異なりますので、この点には特に注意しましょう。


Hiroyuki Ohsaki (oosaki[atmark]ist.osaka-u.ac.jp)